なんだかすごい時間になりました。国際女性デー記念イベント「いまを生きる女性のサミット」2017神戸。

きっかけは、東京で行われる、この日のイベント「ハッピーパワフルチアフルわくわくウーマン(仮名)」への協働をお声がけいただいたことでした。
企画をざっと拝見して、「女性は、社会でいきいき活躍し、母としてわくわく子育てし、妻としてうきうき暮らし、それ以前に女性としてキラキラ輝いているのが素敵」みたいな眼差しに…………目眩と吐き気を感じてしまいました。(主催者や関係者のみなさまごめんなさい。単に、「好みじゃなかった」というだけです。ほら、「納豆」とか「ブルーチーズ」みたいな)

そういう、社会が勝手に女性に要請する眼差しを、ついつい「自分の声」と間違って内在化させてしまったから、いまの女性が、自縄自縛で深く苦しんでいるんじゃないの?
自分が許さないのだから、誰からも許されることがなく。
シングルで社会で活躍しているひとは、既婚者に引け目を感じ。
既婚者は、ママに引け目を感じ。
ママは、社会で活躍しているひとに引け目を感じ。
既婚者でママで社会でも活躍しているひとは、それぞれが中途半端ではないかと引け目を感じ。
……いったい、どこに、幸せな女性がいるの?
それが、7年前に日本に戻った私の、私の偽らざる実感。

そんな日本で、これ以上、自己呪縛を強めるようなイベントを、しかも本来女性が参政権を求めて立ち上がったことを記念する国際女性デーにするなんて!
それならば私たちは、私たちが考える、いちばん自分たちの女性性に誠実なイベントを立てよう。
そう、立ち上がったのでした。
一緒に立ち上がってくれたのは、姫路でガハハゲストハウスを経営する松下京子さん、高砂でチーズケーキショップを経営する春下充代さん。

どうやったら、現代の女性が自分にかけている呪縛を解けるか。
それが、今回のテーマでした。
そう、自己呪縛だから、自分で自分の呪いをとけるのよね。なにかの力を借りれば。
そうして、自分のなかの女性性を、穏やかに祝福してもらう。
それが、今回設定したゴールでした。
イベント前、ご参加予定の42名の方に、「この日は、自分のなかの女性性を祝福するような服装でお越しください」という案内が届きました。
誰かのためではなく、自分のために。
はじめて髪を巻いたり、母親に勧められて着物をきたり、ふだんはつけない真っ赤な口紅を塗ったり。
それぞれの方が、それぞれの「決死のジャンプ」をして、この日、集まってくださいました。

私たちがこの日ご用意したのは、パネラーによるトークセッションと、参加者によるグループワークです。

トークセッションでは、「心」「身体」「社会」の3つの専門的視点から、現代女性の「生きづらさ」を、ひとつひとつ剥いでいくことを試みました。
お願いしたのは、女性性むきだしのポールダンスを職業として選び、レッスンに通うたくさんの女性の悩みに向かい合ってきた、柚月恵さん(ダンサー、一般社団ポールダンスセラピー協会理事長)。
時代背景と歴史的背景から現代日本のワークライフバランスの専門研究をしつつ、「性差を解消する」という文脈になりがちな施策を一度しっかり考えたいいう、中里英樹さん(社会学者、甲南大学教授)。
元有名シェフながら食と健康をつきつめるうちに東洋医学の道に進み、現在は不妊治療専門の鍼灸師として、女性が「女性性」の肯定の部分で最も苦しむ場面に居続ける、竹中幹人さん(鍼灸師、パパス東洋医療鍼灸院代表)。

柚月恵さんからは、「忘れないで。男の人は、女の人が大好きなの。なのに女の人が自分に自信がない、自己肯定感がないから、その愛を受け容れられない。胸を張って、愛を受け容れたらいいよ」

竹中幹人さんからは、「医療に任せたら赤ちゃんができると思うのは間違い。いま日本で年間に40~50代の女性の出産は1200件(※湯川のうろ覚え)ありますが、その97%は自然妊娠。一方、不妊治療でも苦しみ続けるひとは、夫を連れてこられない。自分でそういうことをしてはいけないと、枠をつくってしまっているひとが多い」

中里英樹さんからは、「母としてこうあらねば、妻としてこうあらねば、という思い込みが多い。こどもができたら、ダンナさんに見ておいてもらって飲みに行くなんて考えられない、なんてね。女性も自分を縛り、男性も自分を縛って苦しんでいる。まずは女性性の解放からはじめて、ぜひ男性にも、人間性の解放を教えてあげてください」

そんな言葉が飛び交う、あっという間の50分。
「自己肯定感が低いと、自分を守ろうとしてプライドが高くなる。そこにエロスはない」などのお話を、みんながいっぱいメモしていました。

私たちは、いったい、なにを頑張っているのだろう? 「~らしく」「~であらねば」。そういう「思い込み」を、本当の自分の声だと勘違いして、自分を苦しめていないかな?

後半は、グループワークです。
4人ひと組で、まずは「いまの時代の私たちの生きづらさ」を共有。ひとりの問題だと思っていたのが、意外と、社会の構造のせいかもしれない。同じ悩みをもっているひともいるかもしれない。
そして、「では、そんな私たちの女性性を、どうしたら祝福できるか?」のブレスト。うん、自分で自分の縄をほどけなかったら、誰かにヒントをもらえばいい! 3人集まれば文殊の知恵、4人集まれば世界が笑うよ~♪

最後に、自分に宛てて、ラブレターを書いていただきました。
自分のなかの、奥の方にいる、恥ずかしがり屋で、恐がりで、震えたりしている、小さな女の子。
その子に優しく手を差しのべるような、その子の頭をそっとなでるような、ラブレターを、書いてください。

「だいじょうぶ、あなたが頑張っているのは、よくわかっているよ」
「これからはもっと自由に、あなたらしく生きてだいじょうぶ」
「そう、アイム・オーケー!」

たくさんの方が、涙も交えて、メッセージを読み上げてくださいました。

最後はたっぷり、交流会。
間に席替えをしたり、パネラーの先生方に席をまわっていただいたり。

最後の最後のおみやげは、イチジクが入った柔らかな黄色のチーズケーキ、柑橘のとろりとしたフルーツソースを添えて。菓茶みきやさんからのメッセージと、そう、今日の花であるミモザも飾られていました。
「今回、本当に難しくって。自分でもすごくすごく悩んだんです。いっぱい試作して、でもこれじゃない、ウソっぽいな、って。で、結局、シンプルなのに落ち着きました」
本日、国際女性デーが誕生日の、春下充代さん。この日は遠慮してお誕生日のことを言わなかったけど(もう! そういうひとなんだから!)、来年はきっと忘れずに、みんなでハッピーバースデーを言うからね!

そう。最後のご挨拶で、申し上げました。
私たちは、いまを、生きる。
今日、再び出会った、自分のなかの小さな女の子と手をつないで、この子が笑っていられるような毎日を、これから生きていこう。
いろいろある。
しんどいときも、きっとある。
でも、私たちは知ったから。
ここに、可愛い女の子がいることを。
この子が、もっと幸せになっていいことを。
私たちはもっと、自分をたいせつに、生きていいことを。

だから、みんなで手をつなごう。
今日のきづきを得たひとたちから、女性であることを祝福しあえるような仲間をつくっていこう。
人間として自由に解放されて生きる喜びを分かち合える仲間を、つくっていこう。
来年の3月8日に、また会いましょう。
もっと幸せになっている私たちで、再会しましょう~♪
  
がんばる女性たちが、いまの時代を生きるための「知恵」「力」「仲間」を得て、自分へのたしかな希望を胸に、新たな一歩を踏み出すきっかけをつくる、国際女性デーイベント。
第1回は、こうして、終わりました。

いや、もうひとつあった!
出口で待っていたのは、柚月恵と、湯川カナ。
ふたりのハグを受けて、みんな、なんだか頬を桃色に輝かせながら、会場を後にしました。

いっぱい泣いて、笑って、喋って、食べて飲んで、抱き合って、楽しかったね!
さあ、歩きだそう。
もっと幸せになるじぶんへの、たしかな希望を胸に。

みなさま、本当に、ありがとうございました~!!!!!!

国際女性デーイベント「いまを生きる女性のサミット」、すごかった!

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