今週で、離婚・別居からちょうど一年。去年の今頃は、ムスメとふたりで暮らしはじめた週末に「一億総満足社会 政策オーディション」をしていたのでした。もう、何年も前みたい。
去年のこの頃は、それまで講座だけだったリベルタ学舎の事業を、企業さんにも「チーム」入っていただいて一緒にできることを提案するCSV(共有価値の創造)支援へと展開しようと試みていた時期でもありました。そのなかでの新事業立ち上げは周囲の大反対で断念、顧問税理士さんの前で悔しくて号泣したなあ。それもまた、何年も前のよう。
 
オーディションで始めた「住民自身が地域をつくる」政策提言の試みは、秋に、マニフェスト大賞特別賞をいただき、なかには今年度神戸市で実現しそうなのもあって、いまもまた今年度の展開を考えているところ。
企業CSV支援は、白鶴酒造さん&ピソコモドさんという良きパートナーを得て、広報としてのオウンドメディアの立ち上げも実現。少しずつだけど、講座卒業生の女性たちがライターや講師や企画運営などで「仕事」として社会に認められる場ができてきた!
 
小学校4年生だったムスメは、5年生になりました。
離婚してすぐ、それまで皆勤賞だったムスメが、何度か学校を休んで。学校休むのは構わないのだけど、口は達者でもコドモコドモしていた子だったのに、何をしたいのか何を考えているのか少しわからないことが出てきたのが戸惑って。
私も離婚直後は「ここで失敗したら、ふたりで野垂れ死にだ!」と肩に力が入りまくっていたので、しょっちゅう衝突して、ふたりでよく泣いたりもしたなあ。
でも、諦めないことだけ決めていた。ふたりで新しいかたちの、ふたりがもっと幸せでいられる、くらしをつくること。
 
 
とにかく、稼がなきゃ。それだけ考えていた一年でした。
年に一度の給食費を収めたら、公共料金は督促状が来たギリギリのタイミングで払っていく。家賃と事業借入金の返済、そして取引先と運営メンバーへのお支払いは遅れずに。でもいくつか入金の遅れがあって、キャッシュフロー問題で年末から春はリアルに首がまわらなくなってたなー。あれって、比喩じゃないんだよ、現実に首が動かなくなった(笑)
事業に資金繰りに。ものすごく忙しくなった毎日だけど、18時には帰宅する。ムスメはそれまで留守番をするあいだに、すっかりPCが友達になった。私はそこから1時間で残りの仕事や郵便物の確認をして、19時からごはんをつくる。19時半から20時、ごはんを食べる30分は、学校のことや、彼女の大好きな二次元の話をいっぱい聴く。そこから食器を洗って、朝食の仕込みをして、洗濯機回して、取り込んだ洗濯物畳んで、掃除して、宿題みて、ムスメと一緒に21時半に寝る。
朝4時半には起きて、ご飯を仕込みながら仕事をする。と、ムスメが起きてくる。「おはよー。ねー、今日、学校行きたくないー」「んー(なんですと!)……よし、まずはなにが嫌なのか整理するとこから始めよっか!」 あと1分で送信できた作りかけの請求書を閉じて、朝イチの大阪のアポに間に合う電車の時間から逆算しながら、万が一休むことになった場合の各種シミュレーションを高速で脳内処理しつつ、子供部屋のベッドに腰かける。
 
 
できないことばっかり。
こどもの勉強を見るとか、つつがなく書類を提出するとか、一汁三菜とか。ムスメから、友達のおうちの家族旅行の話などを聞くたびに、心中で本当にごめんと思う。「あの、いまのカナではこれが精いっぱいなんだよね。この状況で、どうやったらいまふたりともいちばん幸せと思う?」 自分があまりに無力でなにも用意してあげられないから、本人に訊きながら、くらしをつくってきた。
それはリベルタ学舎の企画運営チームのみんなにも、同じ。「あの、いまの私ではこれが精いっぱいなのだけど、組織としてはこれだけのことをしたいのね。それにはこれをしなければならないと思うのだけど、どうしたらいいと思う?」自分が経営者としてあまりに無力なのを、心の中で深く詫びながら。
ただ、「個人の幸せを実現させるためのチームなのだから、自分が幸せであることをしっかり考えて」とだけは、言い続けた。誰かを犠牲にしないと成立しないリベルタ学舎なら、やっている意味がないから。個人が幸せになる、新しい組織をつくる実験なのだから。
 
 
こうして、一年が経った。
ムスメは相変わらず、ちょこちょこと休みながら学校に行っている。安心して学校を休むために、なんだかけっこう予習したりしている(笑)
今朝はムスメが炊いたごはんと、ムスメがつくったスクランブルエッグとソーセージの朝食をごちそうになった。朝から洗濯機をまわしたのもムスメ。私が干しているあいだに、食器をぜんぶ洗ってくれていた。(でもそこから「きゅうけーい!」と長いことPCに向かってウフフフやっている。宿題はいつやるのだろう?)
そして一年前に断念した新規事業は、ついに実現へのカウントダウンに入った。念願の、子供同伴を含めて多様な働き方を実現していく拠点も、事業開始と同時に三宮につくる(←このあいだ日経新聞に載っていた内容)。7月にプレオープン、8月本格実施の予定で、弁護士税理士事業プランナー不動産オーナー大学教授そしてリベルタ学舎企画運営チーム、10名を超す関係メンバーが連日準備をしている。
 
 
私ができることが増えたわけじゃない。
やりたいけどできないんだ、と、言えることが増えたのだと思う。
そして、めいっぱい幸せになることを諦めなくなったのだと思う。
 
 
「企業は社会の公器である」と誰か偉いひとが言ったらしい。
私はリベルタ学舎は公器だと思っている。
いろんなひとにとって、それぞれ自分がめいっぱい幸せになるための学びと実験をする場を提供するという意味で、社会に価値を生む存在であって欲しいと願っている。(まさに私自身が、リベルタ学舎があるおかげで、自分がめいっぱい幸せになるチャレンジをできているように)
そして、この組織を支えるひとにも幸せを提供できるよう、しっかり収益も上げていかなければならない。本人が納得できる収入がないと続かないから。首がまわらないのは、リアルに痛いのは、よく知っている。
 
 
社会全体に最大の価値を生む事業を、かかわる誰もが笑顔でいられる事業を、それぞれが自分でもっと幸せになっていくきっかけを提供できる事業を、個人の幸せを最大化する組織で実現していくこと。
このことを、これからはますますしっかり自覚して、やっていこうと思う。
常に対話をもって、「あなたの幸せ」と「私の幸せ」を確認しながら。
 
私がやることは、ひとつだけ。
みんなの幸せをききながら、それが自分の幸せと重なるなら(もしそうじゃないなら、別にもっと素敵でしっかりしているひとが世の中にはいっぱいいるので、そちらと一緒にやる方がぜったい良い)、どうやったら双方がより幸せになるのかだけを、まっすぐ考えて、かたちにしていくこと。
めいっぱい幸せになることを、諦めないで、と言い続けること。
 
 
「カナが親なのは諦めた!」と複雑なこども時代をまあまあごきげんに乗り切ってくれる10歳のムスメと、彼女も含めた私たち親子を仕事でもプライベートでも支えてくれる友人のみんな、本当にありがとう。もちろん、21年連れ添った元オットもね。
さあ、また一年、やってみるか!

離婚・別居後1年のレポート

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